終活という言葉は今、広く認知されはじめています。しかし、実際に終活とは何をすればよいのでしょうか。そして、いくら必要なのでしょうか。今回は、終活でやること、必要になる費用についてご説明します。終活をはじめようと思っている方は、ぜひ参考になさってください。終活をして残りの人生を安心して過ごせるようにしましょう。
終活するうえで費用が必要になるもの
終活と聞くと、自分が死んだときの準備と考える方が多いのではないでしょうか。しかし、最近では「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をよりよく自分らしく生きる活動」(一般社団法人終活カウンセラー協会より)といわれています。大きく2つのカテゴリーに分けられます。
残りの人生の準備
まずは自分の残りの人生をどう過ごすかを考えます。まずやり残したことをしてみましょう。やり残したことによって、費用は大きく変わります。そして、自分に医療や介護が必要になるかもしれません。
自分で意思表示できなくなった時のために、エンディングノートに「どんな施設に入りたいか」「延命治療は望むのか」など具体的なことを考えながら自分の意思を書いておきましょう。施設に入るための費用、治療費はいくらになるかを考えて残しておきます。
亡くなった後の準備
自分が亡くなった後に、家族にかかる負担を軽減したり、トラブルを回避したりするために、準備をしておきましょう。まず葬式代とお墓代です。葬式は、どこでどのような形でやりたいかを考えておき、葬式代を残しておきます。
お墓はご先祖と同じお墓に入るのであれば買う必要はありませんが、新しいお墓に入る場合には自分で購入しておきます。また、今は遺影を生前に撮って準備しておく人もいます。写真館で撮影するのであれば費用がかかります。
一番問題になるのは、遺産相続です。自筆で遺言書を作成するのであれば費用はかかりませんが、公正遺言書を作成する場合には、公証人に手数料を支払います。弁護士や司法書士に依頼すると、さらに費用がかかります。
最後に、亡くなった後の空き家の処分や物の整理を業者に頼む場合には費用がかかります。生前に自分で行う場合や亡くなった後に家族に処分してもらう場合でも、大きな家具家電は処分するための費用がかかるので準備しておきましょう。
何にいくら必要?具体的な費用相場
終活をするにあたって、何にいくらくらい必要なのでしょうか。
医療・介護
一般的に100万円は備えておくとよいでしょう。医療費は、保険適応であれば高額療養制度があるので自己負担は一定になりますが、保険適応外の医療をうけると高額になることがあります。
介護費は、保険適応の施設でも月に10万円から20万円はかかりますが、どんな施設に入るか、どれくらいの期間入るかによっても異なります。
葬式・お墓
葬式やお墓にかかる費用は、一般的に400万円程必要といわれています。そのうち葬式は、200万円程度です。規模によっても異なるため、どんな形で行いたいかとそれにかかる費用を調べておきましょう。
お墓は、一般墓140万円から200万円程、納骨堂50万円から150万円程、樹木葬30万円から100万円程です。その後の管理も必要となるので、家族と相談して決めることをおすすめします。
遺品整理や相続
遺品整理は生前に自分で行う場合には、家具家電の処分に費用がかかります。家電製品の一部は家電リサイクル法で処分料金が決められています。粗大ごみは、地域によって異なります。業者に依頼する場合には、さらに費用がかかります。
数万円から60万円程と幅があります。荷物の量によってかわるので事前に見積もりをとっておきましょう。空き家になってしまう場合には、空き家の売却についても考えておきます。
相続に関しては、公正遺言証書を作成する場合、相続する金額が100万円以下なら5,000円、1億を超えるなら4万3,000円からになります。弁護士や司法書士に文や手続きを任せるのであれば、さらに10万円から40万円ほどみておきましょう。
自分の財産がどの程度なのか、保有する預貯金口座、株式などの資産、不動産や自動車などの売却価格などを見積もっておき、どのように分配するかを明記しておくとトラブルが起きにくくなります。
不動産や自動車など分割できない財産はどのように相続するかも考えておくとよいです。相続税がいくらかかるかもふまえて、分配を考えましょう。
終活に必要な費用を準備するには?
終活には、さまざまなお金がかかることがわかりました。そこで、どのように費用を準備したらよいか考えましょう。
保険の見直し
医療保険や生命保険は、補償内容を定期的に見直しましょう。保証が昔のままで、今の状況にあっていない可能性があります。不要なものは解約したり、亡くなった時に葬式代がだせるくらいの保険に入ったり、葬儀保険に入っておくのもおすすめです。
資産をお金にかえておく
家や土地、株式や車、骨董品など、財産を売却してお金にかえておき、自分の終活に必要なお金と相続するお金を分けておく方法もあります。急いで安い時期に売却するよりも、高額で売却できるタイミングを考えて行えるといいですね。
売却しておくと、亡くなった後の家族の負担も減らすことができます。
まとめ
終活には、600万円程あるとよさそうですね。とくに、医療や介護、葬式やお墓はまとまった費用が必要です。事前に準備しておきましょう。できないことは、業者や専門家などのサポートも活用しましょう。
終活は、自分が亡くなったときのことだけでなく、自分がどう生きたいかを考えるきっかけになります。残りの時間を有意義に過ごせるように、準備してきましょう。