終活は誰にとっても大切な課題ですが、一人で悩むことはありません。適切な相談先を見つけることで、計画を円滑に進められます。たとえば、終活カウンセラーや専門の法律家、または信頼できる家族や友人に相談することが一般的です。このコラムでは、よくある失敗例を紹介しながら、適切な相談先を探すためのポイントをお伝えします。
終活でよくある失敗とは
終活は人生の最終章を迎えるための大切な準備ですが、計画通りに進めるのは簡単ではありません。以下は、終活でよくある失敗について紹介します。
モチベーションが維持できなかった
まず、モチベーションの維持が難しい点についてです。終活は孤独な作業であり、自分一人で進めることが多いため、モチベーションが続かない場合があります。
また、明確な目標や計画がないまま進めると、途中で病気や怪我をした際に、終活が中断してしまうリスクもあります。終活は一度に完結するものではなく、時間をかけて少しずつ進めるものですが、継続するための工夫が欠けていると、途中で投げ出してしまうことが多いので注意が必要です。
身辺整理が大変で諦めてしまった
次に、身辺整理の困難さについてです。長年蓄積してきた所有物を整理するのは時間と労力がかかる作業です。不要なものを処分するだけでも大変であり、売却するとなるとさらに手間が増えます。
最初は意気込んで取り組んでも、途中でその大変さに圧倒されてしまい、結局諦めてしまう人も少なくありません。とくに、思い出の品など感情的な価値があるものの処分は精神的な負担もともなうでしょう。
遺言書の書き方を間違えて無効になってしまった
遺言書の書き方を誤ってしまうこともよくある失敗のひとつです。遺言書は法律に則った正しい書き方をしないと、法的効力をもたないため、せっかく書いた内容が無効となってしまいます。その結果、残された家族にとっては、財産の分配に関するトラブルが発生する可能性が高まります。
とくに、手書きで作成する場合は、細かな形式に従う必要があり、その一部でも間違えると無効になってしまうため、注意が必要です。
エンディングノートの書き方を失敗した
エンディングノートには、法的な効力はないものの、自分の希望や思いを記す重要なツールとなります。しかし、書き方に注意を払わないと、残された家族にとって混乱や負担を引き起こす内容になりかねません。あまりに個人的な感情や、具体的な指示が曖昧な場合、家族はその意図を汲み取るのに苦労し、結果としてストレスを感じます。
終活で失敗しないためのポイント
終活で失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。以下にその具体的な方法を紹介します。
スケジュール管理をしっかりおこなう
まず、スケジュール管理をしっかりおこなうことが大切です。終活は一日や二日で完了するものではなく、長期間にわたる取り組みとなります。そのため、期限を決めて計画的に進めることが必要です。また、普段の生活を続けながら無理なく進められるペースを保つことで、モチベーションの維持にもつながります。
家族や友人など周囲の人々を頼る
家族や友人など周囲の人々に手伝ってもらうことも重要です。終活のなかでもとくに身辺整理は大変な作業となります。ひとりですべてをこなそうとすると、物理的にも精神的にも負担が大きくなります。そこで、家族や友人に手伝ってもらうと、作業がスムーズに進むだけでなく、心の支えにもなるでしょう。周囲の人々を上手に頼ることで、効率的に進められます。
公正証書遺言を作成する
公正証書遺言を作成することも失敗を防ぐための重要なポイントです。公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため、法的に無効になるリスクが低く、信頼性が高いです。家族に対する配慮として、確実に効力を発揮する遺言書を残すことが大切です。
家族の立場になって考える
家族の立場になってエンディングノートを作成することが求められます。エンディングノートに希望を書く場合には、その理由も一緒に記載することで、家族がその意図を理解しやすくなります。家族に対する負担を減らすためにも、配慮と思いやりをもってエンディングノートを作成しましょう。
終活で悩んだら誰に相談したらいいのか
終活をはじめようと思っていても、誰に相談すればよいか悩んでしまう方は少なくありません。そこで、こちらでは主な相談先を紹介します。
専門家に相談する
まず、専門家に相談する方法です。弁護士に相談したり、終活サポートを提供するサービスを利用することで、専門的なアドバイスを受けられます。多くの場合、相談や見積もりは無料で提供されているので、気軽に相談してみるとよいでしょう。
家族に相談する
家族への相談も重要です。終活について家族と話すのは気が進まないかもしれませんが、万が一のことを考え、家族全員で準備を進めておくことは大切です。家族に不安を与えるのではなく、前向きに終活に取り組むことで、家族も安心感を得られます。
終活セミナーに参加する
終活セミナーに参加することもおすすめです。自治体や葬儀屋などが定期的にセミナーを開催しており、最近ではオンラインでの開催も増えています。遠方に住んでいる人や会場まで足を運ぶのが難しい人にも便利です。セミナーに参加することで、終活に取り組む仲間と交流でき、モチベーションを高められます。
まとめ
終活は大切な準備ですが、失敗を避けるためには計画的なスケジュール管理や周囲の協力が不可欠です。モチベーションを維持し、無理なく進めるためには、家族や友人、専門家の力を借りることが大切です。
また、公正証書遺言の作成や家族の立場になったエンディングノートの記載も重要なポイントです。悩んだときには、プロや家族に相談したり、終活セミナーに参加することで有益な情報を得られます。これらの対策を活用し、安心して終活に取り組みましょう。
