おひとりさまの終活とは、人生の最期を見据え、自分らしい形での準備を進めることです。独り身の方にとっては、身の回りの整理や財産の管理、葬儀の手配など、事前にやるべきことがたくさんあります。本記事では、おひとりさまがスムーズに終活を進めるための具体的なステップやアドバイスを紹介します。
おひとりさまと終活について
終活とは、人生の終わりに向けて準備する活動を指します。具体的には、身の回りの整理、葬儀や墓の準備、財産相続のプランニングなどです。現代社会において、単身高齢者の孤独死や相続トラブルといった問題が増えており、これらの課題に対応するためのひとつの方法として終活が注目されています。
孤独死に不安を抱えている人は多い
60歳以上の男女、約3分の1が、孤独死を身近な問題としてとらえているというデータがあります。これは、家族や親しい友人がいない場合、誰にも看取られずに亡くなることへの不安を抱えている人が多いことを示しています。そこで終活を通じて、孤独死を防ぎたいと考える人が増えているわけです。
また、終活を通じて、葬儀や遺品の処理についても自分の希望を明確にできます。多くの人が、自分の最期をどのように迎えるか、遺品をどう扱ってほしいかについて意見を持っていることでしょう。終活をおこなうことで、これらの希望をしっかりと叶えられるでしょう。
おひとりさまが終活をしないとどうなる?
おひとりさまが終活をしない場合、さまざまな問題が発生する可能性があります。以下で主なリスクについて見ていきましょう。
誰にも見つけてもらえない
まず、孤独死のリスクが高まります。家族や親しい友人がいない場合、誰にも気づかれずに亡くなることが現実のものとなります。これにより、発見が遅れ、遺体の腐敗が進んでしまう場合も少なくありません。このような状況は、周囲の人々にとって大きな衝撃と迷惑をかけてしまいます。
財産の相続が希望と異なった形になる
終活をおこなわないと、自分の財産の相続が希望と異なった形になってしまう可能性もあります。遺言書がない場合、法律にもとづいた相続がおこなわれますが、それが必ずしも本人の意思に沿ったものではないことがあります。特定の親しい友人や慈善団体に寄付したいと思っていたとしても、その希望が実現されないまま遺産が分配されてしまうのです。
周囲の人に迷惑をかけることになる
さらに、自分の死亡や認知機能の低下によって、周囲の人々に大きな迷惑をかけてしまうことも避けられません。急に亡くなった場合、葬儀の手配や遺品の整理を誰がどのようにおこなうのかといった問題が発生します。独り身の場合、これらの作業はすべて周囲の人々に任せることになり、大きな負担をかけます。
認知機能が低下した場合も同様で、自分自身で適切な判断ができなくなることで、財産管理や日常生活において多くの問題が生じ、親族や介護者にとっても大きな負担となるでしょう。
おひとりさまがやるべき終活とは
おひとりさまがやるべき終活には、いくつかのステップがあります。これらのステップを踏むことで、自分の希望に沿った形で人生の終わりを迎える準備が整い、周囲の人々にも負担をかけずにすむでしょう。
財産管理契約をおこなう
まず、財産管理契約をおこなうことが重要です。これは、信頼できる身近な人にお金の管理や病院、介護施設の手続きを代行してもらうための契約です。元気なうちに、信頼できる相手の候補者を考えておきましょう。信頼できる人に自分の財産管理を任せることで、詐欺や悪徳商法の被害に遭うリスクも軽減できます。
任意後見契約をおこなう
次に、任意後見契約をおこなうことも大切です。これは、判断能力が低下した際に、財産管理や必要な契約などを信頼できる人物に代行してもらうための契約で、契約をおこなうときは、本人の判断能力に問題がないことが前提です。任意後見人には、日常生活のサポートや介護サービスの手続きなども任せられます。
遺言書を書く
遺言書を書くことも非常に重要です。あらかじめ遺言書を書いておき、相続問題について対応しておくことで、トラブルを未然に防げます。法定相続人が存在しない場合、残った遺産は国が所有することになりますが、万が一法定相続人がいた場合に、トラブルなく遺産を引き継げるように財産目録を作成しておくとよいでしょう。
エンディングノートを書く
エンディングノートを書くことも老後の対策として有意義です。エンディングノートは、大切な人へのメッセージや自分が死亡した際の葬儀に関する希望などを記載するためのノートです。エンディングノートを作成することで、自分の最期をどのように迎えたいか、葬儀や遺品整理に関する希望を明確にできます。
まとめ
おひとりさまの終活は、孤独死のリスクを減らし、財産相続や葬儀の準備を自分の希望に沿って進めるために重要です。終活をしないと、周囲に迷惑をかけるだけでなく、自分の意思が反映されないまま最期を迎えることになります。
財産管理契約や任意後見契約、遺言書の作成、エンディングノートの記載など、具体的なステップを踏むことで、自分らしい最期を迎える準備を整えましょう。自分自身の安心感を高め、残された人々に対する思いやりを示すためにも、今から始めることが大切です。